ポップなイラストが魅力的で、ゆったりとしたシルエットのカジュアルウェアが人気のHUMAN MADE(ヒューマンメイド)。
ストリートファッションの重鎮であるNIGO氏が手掛けるブランドとして、国内外の著名人からも愛されています。
しかし、そのキャッチーなデザイン性から、一部ではヒューマンメイドはダサい、子供っぽいという声も聞かれます。
そこで本記事では、ヒューマンメイドがダサいと言われる理由を深掘りし、実際の評判や口コミを交えながら、おすすめできる人・できない人を解説します。
ヒューマンメイドのアイテムが欲しいけれど、周りからセンスがないと思われないか不安な人は、ぜひ参考にしてください。
ヒューマンメイドとは?
HUMAN MADEは、伝説的なストリートブランド「A BATHING APE」の創設者として知られるNIGO氏が、2010年に立ち上げたライフスタイルブランドです 。
ブランドのコンセプトは「The Future Is In The Past(未来は過去にある)」 。
これは、NIGO氏自身が長年にわたり収集してきた膨大なヴィンテージコレクションがインスピレーションの源になっています 。
ただ古いデザインを復刻するのではなく、1940年代から60年代のアメリカンヴィンテージウェアが持つ雰囲気を大切にしながら、現代的な解釈と日本の優れた技術を融合させているのが特徴です 。
遊び心あふれるグラフィックTシャツが有名ですが、その世界観はアパレルだけにとどまりません。
近年では「BLUE BOTTLE COFFEE」とのカフェ運営や、ファレル・ウィリアムス氏と共同で日本酒ブランドをプロデュースするなど、衣食住にまたがるカルチャーを発信しています 。
これは、NIGO氏がBAPE時代に確立した限定品を軸とする戦略から、より自身のルーツや本質的な好きを追求するスタイルへと変化したことを示しています。
そのため、ヒューマンメイドは単なるファッションブランドではなく、NIGO氏というクリエイターの哲学やライフスタイルを体現した存在なのです。
ヒューマンメイドがダサいと言われている理由
確固たる世界観と品質で多くのファンを魅了するヒューマンメイドですが、一部でダサい、あるいは野暮ったいと評されることもあるようです。
それはどんな理由からでしょうか?
子供っぽく見える、特徴的なグラフィック
ヒューマンメイドがダサいと言われる最も大きな理由は、その象徴ともいえるグラフィックデザインにあるようです。
赤いハートロゴや、カモ、シロクマといった動物モチーフのデザインは、ブランドの顔として多くのアイテムに使われています 。
これらのデザインはポップで親しみやすい反面、一部からは子供っぽい、幼稚に見えるという意見も出ています。
特に、ブランドのスローガンである「Gears for Futuristic Teenagers(未来の若者たちのための装備)」という言葉は、その印象をさらに強めているのかもしれません 。
SNSなどでは、このスローガンがあるせいで大人が着るには少し気恥ずかしい、といった声も見られます 。
この感覚は、ブランドの価格設定とのギャップによって、より大きくなるようです。
例えば、グラフィックTシャツは1枚13,000円以上、スウェットは何万円もします 。
一般的に、消費者は高価格な製品に対して、相応の洗練されたデザインを期待する傾向があります。
しかし、ヒューマンメイドのグラフィックは、その期待とは少し違うかわいらしさや、ゆるさを感じさせます。
この価格とデザインの間に生まれるズレが、高いお金を払って買うにはデザインがシンプルすぎる、センスがないという印象、つまりダサいという評価につながっているのかもしれません。
着こなしが難しい、ヴィンテージ由来のシルエット
ヒューマンメイドのウェアは、1940年代から60年代のアメリカンワークウェアなどをベースにデザインされています 。
そのため、現代の多くのブランドが採用するスリムな形とは異なり、身幅が広く、アームホールも太い、ボックスシルエットが基本です。
このヴィンテージに忠実なシルエットは、当時の雰囲気を再現する点では優れており、ファッション好きからは高く評価されています 。
しかし、この独特のフィット感は、着る人の体型やスタイリングの知識が求められるようです。
ファッションにあまり詳しくない人が着ると、単にサイズが合っていない服に見えてしまうことも。
その結果、全体的に野暮ったい、だらしないといった印象を与え、時代遅れに見えてしまう可能性があります。
ヒューマンメイドの服を格好良く着こなすには、その背景にあるヴィンテージカルチャーへの理解や、現代的なアイテムと組み合わせるスタイリング能力が必要です。
誰でも簡単におしゃれに見えるわけではない、この着こなしの難しさが、一部で敬遠される理由の一つになっているようです。
価格とデザインの不一致感
最も本質的な理由として考えられるのが、価格とデザインの価値観の不一致です。
ヒューマンメイドの製品は、Tシャツが1万円超、スウェットやパーカーが数万円、ジャケットは7万円近くするものまであり、決して安くはありません 。
ブランドやファンは、この価格の理由として、日本の工場で旧式の吊り編み機を使って作られる高品質な生地や、スラブ糸を使った独特の風合い、ヴィンテージのディテールを忠実に再現した縫製技術などを挙げています 。
これらは、製品に触れたり、長く着込んだりすることで初めて実感できる価値です。
一方で、多くの人は服の価値を、一目でわかるデザインの独創性などで判断します。
その視点から見ると、ヒューマンメイドのアイテムは、シンプルなハートのロゴや動物の絵がプリントされただけのTシャツに見えてしまうかもしれません。
そのデザインに対して1万円以上の価格が付けられていることに、ブランド名だけで価格を吊り上げている、価格に見合っていないと感じてしまうのです 。
この隠れた品質を重視するブランドの姿勢と、目に見えるデザインを重視する消費者の価値観の間に存在するギャップが、ヒューマンメイドはコストパフォーマンスが悪い、だからダサい、という評価を生む根本的な原因なのかもしれません。
ヒューマンメイドの評判・口コミ
SNSやオンラインストアから集めた、ヒューマンメイドに関するリアルな声を紹介します。
良い口コミ
・Tシャツの生地が肉厚でしっかりしており、何度洗濯してもへたらない
・スラブ生地や吊り編み(ループウィール)の質感が独特で、着心地が最高に良い
・ヴィンテージライクな風合いと、ゆったりしたシルエットが今っぽくて快適
・ハートロゴやアニマルモチーフが他にはないデザインで、とにかく可愛い
・パーカーのフードがしっかり立ち上がり、立体的なシルエットが綺麗に決まる
悪い口コミ
・グラフィックやスローガンが子供っぽくて、大人が着るには少し恥ずかしい
・Tシャツ1枚に1万円以上は高すぎる、品質は良くても価格に見合っていないと感じる
・海外の購入者からするとサイズ感が非常に分かりにくく、2サイズアップしないと着られないことがある
・人気商品は店舗に行っても常に売り切れで、ほとんど何も買えないことがある
・ごく稀に初期不良品があるという報告や、オンラインでの購入体験に不満の声も
ヒューマンメイドがおすすめな人
ここまでの分析を踏まえ、ヒューマンメイドがどんな人に合うブランドなのかを解説します。
NIGOの世界観とヴィンテージカルチャーを愛する人
ヒューマンメイドのアイテムは、NIGO氏というクリエイターの物語や哲学が込められています。
彼のBAPEからの変遷を知り、「The Future is in the Past」というコンセプトに共感できる人、そしてその背景にあるアメリカのヴィンテージカルチャーが好きな人にとって、ヒューマンメイドは特別なブランドになるでしょう 。
服のデザインだけでなく、その背後にあるストーリーごと楽しみたいという人には、とてもおすすめです。
遊び心のあるデザインと高品質な素材感を両立したい人
ファストファッションは卒業して、長く着られる質の良い服が欲しい。でも、伝統的な高級ブランドは少し堅苦しい。
そう感じている人に、ヒューマンメイドは最適な選択肢かもしれません。
日本の職人技が生み出す吊り編み生地の着心地や、頑丈な作りといった品質を楽しみながら、ハートロゴや動物モチーフといった遊び心のあるデザインで個性を表現できます 。
真面目なだけでは物足りない、大人のための上質なカジュアルウェアを求める人にぴったりです。
ストリートファッションに「抜け感」を取り入れたい人
これまでのタイトなシルエットの流行から一歩進んで、リラックスした雰囲気のおしゃれを楽しみたい人にもおすすめです。
ヒューマンメイドが提案する少しゆったりとしたシルエットは、コーディネートに程よい抜け感と、こなれた印象を与えてくれます 。
ただ大きいだけでなく、ヴィンテージウェアのパターンを熟知した上で計算されたシルエットなので、だらしなく見えにくいのもポイント。
いつものスタイルに一点加えるだけで、洗練された大人のストリートカジュアルが完成します。
ヒューマンメイドがおすすめできない人
一方で、ヒューマンメイドの特性が、あるタイプの人には合わない可能性もあります。購入を慎重に検討した方が良いタイプを挙げます。
ミニマルで普遍的なデザインを求める人
服装の基本スタイルが無地のアイテム中心で、ブランドロゴなどが目立つことを好まない人には、ヒューマンメイドはあまり向いていないかもしれません。
ブランドの魅力は、良くも悪くもアイコニックなグラフィックにあります。
クリーンで普遍的なデザインや、ブランドを主張しないスタイルを求めるのであれば、他のブランドを選ぶ方が満足度は高いでしょう。
コストパフォーマンスを最優先する人
服を選ぶ上で、価格と品質のバランス、つまりコストパフォーマンスを最も重視する人にとって、ヒューマンメイドは割高に感じられる可能性が高いです。
このブランドの価値は、目に見えにくい生地の質や製造工程に大きく依存しています 。
そのため、デザインや機能性に対して支払う金額をシビアに判断する人には、その価格設定が理解しにくく、購入後の満足感を得にくいかもしれません。
「流行りモノ」を着ていると思われたくない人
ヒューマンメイドはNIGO氏の影響力や、多くの著名人が着用していることから、ファッション業界でトレンドアイテムとして認識されています 。
そのため、他人と被ることを嫌い、まだあまり知られていないブランドを発掘することに喜びを感じる人には、向いていない可能性があります。
象徴的なハートロゴは、時に流行に乗っているという記号として見られることがある、と覚えておくと良いでしょう。
ヒューマンメイドのおすすめポイント
ヒューマンメイドが一部の批判を乗り越えて、多くの人々から愛され続ける理由、その確かな魅力を3つのポイントに絞って紹介します。
触れればわかる、唯一無二の生地の質感
ヒューマンメイドのTシャツやスウェットに袖を通した人が、口を揃えて賞賛するのが生地の質感です。
特にスラブ生地と呼ばれる、意図的にムラを出した糸で織られた生地は、ヴィンテージTシャツのような豊かな表情を持っています 。
また、旧式の吊り編み機でゆっくりと編まれた生地は、空気を含んだように柔らかく、洗濯を繰り返しても型崩れしにくいという特性があります 。
現代の大量生産では再現が難しいこれらの生地こそが、ファンが価格以上の価値を見出す最大のポイントのようです。
ヴィンテージの意匠を忠実に再現したディテール
NIGO氏のヴィンテージに対する深い知識は、単なるグラフィックの引用だけではありません。
当時のワークウェアに見られたステッチの運び方、ボタンの素材、製品タグのデザインといった細部にまで、そのこだわりが貫かれています 。
例えば、Tシャツの脇に縫い目がない丸胴仕様もその一つです 。
こうした細かなディテールは、一見しただけでは気づかないかもしれませんが、服全体の雰囲気を決める重要な要素。
本物のヴィンテージを知る者だけが作り出せる、この圧倒的なリアリティが、ヒューマンメイドの製品に深みを与えています。
カルチャーを横断する、多彩なコラボレーション
ヒューマンメイドの活動は、ファッションの枠組みを超えていきます。
アーティストのKAWSやVERDY、ミュージシャンのファレル・ウィリアムスといったカルチャーシーンの盟友はもちろん、adidasのような大手スポーツブランド、さらにはケンタッキーフライドチキン(KFC)といった異業種とも積極的に協業しています 。
これらのコラボレーションは、ヒューマンメイドが単なるアパレルブランドではなく、様々なカルチャーが交差するハブのような存在であることを示しています。
そのアイテムを持つことは、単に服を着る以上の、カルチャーの一端を担うような楽しさを提供してくれます。
ヒューマンメイドのおすすめアイテム
これからヒューマンメイドを試してみたいという方に向けて、まず手に入れるべき代表的なアイテムを3つ紹介します。
ブランドの顔「グラフィックTシャツ」
ヒューマンメイドの世界観を最も手軽に、そしてダイレクトに体感できるのがグラフィックTシャツです。
ブランドのアイコンであるハートロゴをあしらったものや、シーズンごとに登場するアニマルモチーフのものは、コーディネートの主役になること間違いなし 。
何よりも、このブランドが誇るこだわりの生地感を最もシンプルに味わえるアイテムとして、最初の一着に最適です。
シルエットの美学が詰まった「パーカー&スウェット」
秋冬の定番アイテムであるパーカーやスウェットは、ヒューマンメイドの品質へのこだわりが凝縮されています。
特にパーカーは、肉厚な生地によってフードが潰れずに立体的な形を保つことで定評があり、着た時のシルエットが非常に美しいと評判です 。
フードの紐がないクリーンなデザインも多く、カジュアルながらも洗練された印象を与えます。
着心地の良さと見た目の美しさを両立した、まさに大人のための一着です。
コーディネートの主役になる「キャップやバッグなどの小物類」
いきなり高価なウェアに手を出すのは勇気がいる、という方には小物から入るのがおすすめです。
キャップ、ソックス、トートバッグといったアイテムは、比較的手に取りやすい価格でありながら、ヒューマンメイドらしい遊び心のあるデザインを存分に楽しめます 。
いつものシンプルな服装に一点加えるだけで、ぐっとこなれた雰囲気を演出できるため、ファッションのアクセントとして非常に優秀です。
まとめ
ヒューマンメイドが一部でダサいと言われる背景には、子供っぽく見えるグラフィック、着こなしが難しいヴィンテージシルエット、そして価格とデザインの間に存在する価値観のズレといった理由があるようです。
しかし、それらの点は、ファンにとってはむしろ魅力の裏返しでもあります。
彼らは、一見シンプルに見えるデザインの裏にある、触れればわかる圧倒的な生地の品質や、NIGO氏の深い知識に裏打ちされたヴィンテージへのこだわり、そして彼の遊び心あふれる世界観そのものに価値を見出しているのです。
最終的に、ヒューマンメイドがダサいかおしゃれかは、着る人が服のどこに価値を置くかによって決まります。
もしあなたが、服の背後にあるストーリーや、目に見えない品質、そして作り手の哲学を大切にするならば、ヒューマンメイドは最高のパートナーになるかもしれません。
この記事が、あなたが自分自身の価値観で判断するための一助となれば幸いです。